インプラント構造の提案 防波堤・防潮堤
重要施設の津波対策
遮水壁を兼ねる強靭な防潮壁を構築
現代社会の生活をささえる発電所や大量の危険物を扱う化学プラントなどの重要な生産施設を津波や高潮の被害から防ぐため、大口径の鋼管杭を岩盤に回転切削圧入し、さらに控杭で補強した防潮壁を構築する。強靭なインプラント防潮壁は、万が一越波しても倒壊することなく、汚染水などの有害物質を防潮壁の内側に囲い込み、外部への流出を防ぐ遮水壁として機能する。
(掲出:日経コンストラクション2011年6月27日号)
高潮・高波対策
既設護岸を残置したままで防災機能を強化
日本の主要な都市や街は、海岸に面して位置しており、長い海岸線の護岸や堤防によって、産業や文化が守られていると言っても過言ではない。それだけ、津波や高潮による被害は深刻な影響をもたらす。しかし、全国の海岸や河川では、既設構造物の基礎やテトラポットなどが障害物となり、改修工事を阻んでいるケースも多い。そこで、硬質地盤対応のクラッシュパイラーや、回転切削圧入するジャイロパイラーなどを駆使して、防災機能を強化する。
(掲出:日経コンストラクション1999年12月24日号)
海岸侵食対策
既設護岸を残置したままで防災機能を強化
都市再開発や護岸改修では、捨石やテトラポットが地中深く沈んでいて、構造物の安全上撤去できない場合や、工事用の仮設道路が設置出来ない場合があり、既存工法による施工が困難な理由となっている。そこで、新規構造物に支障のある部分だけを障害物とみなしてカットし、その他は現況のまま残しておく。壁材となる杭には鋼材を主材として用いるが、用途に応じた多種の新壁材を開発する。例えば海岸堤であれば、波と一緒に打ちつける砂レキに耐えうる「クラッシング刃」を備えた構造で、かつ耐磨耗性の材料を開発し、使用する。
(掲出:日経コンストラクション1999年3月26日号)
地球温暖化による海面上昇対策
防潮堤で街全体を水没から防ぐ
世界遺産にも登録されているイタリアの水上都市ヴェネチア。アドリア海の湿地に無数の唐松杭を打ち込んで造ったこの美しい浮島が、気圧の変化や地球温暖化による海面上昇により、今水没の危機に瀕している。そこで、GRBシステムを複数ユニット投入し、無振動・無騒音施工で許容構造部材を施工して、歴史的建造物や市民の日常生活に悪影響を与えることなく、人類の遺産を水没の危機から防ぐ。
(掲出:日経コンストラクション2002年3月22日号)