防災技術

防災・災害対策事例 河川(運河)

河川堤防の強化愛知県名古屋市

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名古屋市街地を流れる山崎川の堤防は、伊勢湾台風の災害復旧で軟弱地盤上に築堤されました。今後想定される高潮や南海トラフ地震による被害が懸念されています。圧入工法による堤防強化と液状化対策例です。

■課題と解決策(適用技術)
現場周辺はマンションや工場などが隣接し、施工ヤードは堤防道路上のみの条件でした。制約のある場所で、河川堤体内に900ハット形鋼矢板二重締切壁を圧入工法で構築しました。鋼矢板は遮水性が高く洪水時の浸透水対策に加え、頭部をタイロッドで結合することで地震動による液状化を抑止し、堤防の変形や破堤を防止できます。



岸壁の補強高知県高知市

岸壁の補強

今後発生が想定される南海トラフ地震対策や高潮対策として、高知港海岸の堤防補強工事における圧入工法の施工例です。

■課題と解決策(適用技術)
既設堤防はタイロッド控え式構造であり、現在の機能を保持したままで、強固な鋼管杭(φ1300  L=27.5m)を連続施工するため、工法は既設護岸への影響を最小限に抑えられる「ジャイロプレス工法」が採用されました。
ジャイロプレス工法は先端ビット付き鋼管杭を回転切削するため地中にある障害物にも対応できます。また、周面摩擦や先端抵抗を低減させるとともに、杭材の変形や偏心を抑制し、高い精度で施工できます。



ハリケーン対策で運河拡幅アメリカ ニューオリンズ

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2005年8月にアメリカ南東部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」により被害を受けたニューオリンズ市での圧入工法の施工例です。市街地の8割以上が水没した同市では大規模な治水対策事業が実施され、運河の拡幅工事において鋼矢板連続壁を圧入施工しました。

■課題と解決策(適用技術)
運河の拡幅工事においては、周辺環境への配慮は勿論のこと、施工精度が高く高品質な護岸壁を急速に構築できる工法が求められました。バイブロハンマによる鋼矢板施工などとの比較が行われ、圧入工法が採用されました。



洪水対策で護岸整備ドイツ ケルン

洪水対策で護岸整備 1 洪水対策で護岸整備 2

ライン川は毎年春になると、アルプス山脈の大量の雪解けと降水量の増加により水嵩を増します。特に1993年と1995年には大きな出水があり、河畔の街々に洪水による被害をもたらしました。水没被害を受けたケルン市において、堤防補強と洪水時の水量調整用コンクリートボックスを構築するための鋼矢板連続壁を、圧入施工した事例です。

■課題と解決策(適用技術)
現場は住宅街に密接しており環境対策が求められるなか、近隣住民に騒音や振動などの影響を与えない圧入工法が採用されました。



河川激甚災害対策特別緊急工事(激特工事)東京都 中野区

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2005年に首都圏を襲った局地的な大雨により、周辺地域に浸水等の被害をもたらした、妙正寺川での河川護岸改修工事における圧入工法の施工例です。

■課題と解決策(適用技術)
既設護岸壁に民家が隣接し新たな護岸壁の設置スペースが確保できないことから、既存のコンクリート護岸壁を貫通させて新護岸壁の構築が可能な「ジャイロプレス工法」が採用されました。また、橋梁の架け替えでは、既設コンクリート橋台を貫通させて鋼管杭を圧入し基礎杭としています。完成杭の天端を作業軌道として圧入施工の全工程を完了する「GRBシステム」により河積を阻害する仮設構台等を不要としました。



河川護岸の復旧(護岸根固め工)新潟県 長岡市

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2004年10月に発生した新潟県中越地震で被害を受けた柿川での、護岸改修工事における圧入工法の施工例です。崩壊した石積み護岸の基礎部に根固め工として鋼矢板を圧入施工しました。

■課題と解決策(適用技術)
崩壊した護岸石や最大N値が50を超える砂層への鋼矢板の打設において、圧入機と一体制御のオーガ装置によって杭先端の直下地盤を掘削しながら圧入施工を行う「硬質地盤クリア工法」が採用されました。また、工事場所は護岸と民家が隣接しており施工ヤードの確保が困難なため、工事領域を機械幅分に抑えられる「GRBシステム」が採用されました。



河川災害からの復旧兵庫県 淡路市

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2004年10月に淡路島を襲った大型台風23号の豪雨により崩壊した護岸の復旧工事における圧入工法の施工例です。更なる護岸崩壊を防ぐための土留壁を圧入施工しました。

■課題と解決策(適用技術)
隣接する民家の基礎に影響を与えず、換算最大N値125の固結粘土を含む硬質な地盤に土留壁を構築する必要があり、圧入機と一体制御のオーガ装置によって杭先端の直下地盤を掘削しながら、周辺環境に配慮した圧入施工を行う「硬質地盤クリア工法」が採用されました。