防災・災害対策事例 砂防・地滑り
災害関連緊急砂防工事東京都 三宅島
2000年8月に火山噴火のあった三宅島での災害関連緊急砂防工事における圧入工法の施工例です。火山灰の堆積と降雨により、噴火直後には各所で泥流が発生しました。泥流による二次災害を防ぐための砂防ダムの基礎として鋼矢板壁を圧入施工しました。
■課題と解決策(適用技術)
φ1000mmの玄武岩を含むスコリア層(火山噴出物の一種)への鋼矢板打設において、圧入機と一体制御のオーガ装置によって杭先端の直下地盤を掘削しながら圧入施工を行う「硬質地盤クリア工法」が採用されました。
地滑り・法面崩壊対策秋田県 本庄市
毎年のように沿川各地で洪水氾濫が発生していた芋川では、1998年8月の梅雨前線豪雨による災害を契機に、河川災害復旧等関連緊急事業が進められ、地滑りによる法面崩壊危険箇所への鋼矢板土留壁構築工事で圧入工法が採用されました。
■課題と解決策(適用技術)
地滑り地盤への影響を与えず、最大換算N値が70を超えるシルト岩への圧入施工が可能な「硬質地盤クリア工法」が採用されました。また、完成杭の天端を作業軌道として圧入施工の全工程を完了する「GRBシステム」により仮設構台等を不要としました。
災害関連緊急導流堤工事東京都大島町
2013年10月16日、台風26号による集中豪雨のため伊豆大島で発生した大規模な土砂災害復旧工事における施工例です。大島は溶岩の上に土砂が堆積しているため、豪雨により大規模な土石流が発生しました。2014年の梅雨時期までに、施工延長約132mの鋼矢板導流堤を急速に圧入施工しました。
■課題と解決策(適用技術)
鋼矢板Ⅲ型 長さ7.0m 329枚を非常に硬質な溶岩層(一軸圧縮強度 153.9N/mm2以上)に3.0m根入れする。また、発生した土砂流により表層地盤は不安定で、大きくえぐられているため施工ヤードは限られる。これらの問題を解決し、確実に施工できる「硬質地盤クリア工法」が採用されました。また、2台施工により工期短縮をはかりました。