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第3回 圧入Q&A 解答
第3回 圧入Q&A(入門編) / 土木学会誌 2010年11月号掲載
- Q.
- 世界各地で様々な災害が発生し、多くの人命と財産が失われています。次の災害における復旧工事で、圧入工法の施工事例があるものをすべて選んでください。
イ. 地震 ロ. 台風・ハリケーン ハ. 火山噴火
ニ. 地盤陥没 ホ. 海岸侵食 へ. 河川氾濫
A. イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ(全てに施工事例があります。)
圧入工法は、工事目的や現場条件にあわせて最適化された貫入技術を用いることで、場所を選ばず施工を行えます。また原理の優位性により、周辺環境への影響を最小限に抑えるとともに、シンプルな工程による急速施工を実現しており、安全確実性と急速性が要求される各種災害復旧工事において広く活躍しています。
【地震】
2004年10月に発生した新潟県中越地震で被害を受けた、鉄道や橋梁などのライフラインの復旧工事における圧入工法の施工例です。線路脇の斜面崩壊や橋脚の損傷に対する緊急復旧工事で、二次災害を発生させることなく、圧入杭連続壁を緊急構築しました。
【台風・ハリケーン】
2005年8月にアメリカ南東部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」により被害を受けたニューオリンズ市での圧入工法の施工例です。市街地の8割以上が水没した同市では大規模な治水対策事業が実施されており、運河の拡幅工事において、施工精度が高く、高品質な護岸壁を急速に構築できる圧入工法が採用されました。
【火山噴火】
2000年8月に火山噴火のあった三宅島での災害関連緊急砂防工事における圧入工法の施工例です。火山灰の堆積と降雨により、噴火直後には各所で泥流が発生しました。泥流による二次災害を防ぐための砂防ダムの基礎としてφ1000mmの玄武岩を含むスコリア層(火山噴出物の一種)へ鋼矢板を圧入施工しました。
【地盤陥没】
2002年6月にアメリカのオーランド市で発生した、大規模な地盤陥没(直径46m、深さ18m)への緊急対策工事における圧入工法の施工例です。雨季と重なり、近接する住宅にも被害が及ぶ危険性があるなかで、住宅の防護工として鋼管矢板連続壁を圧入工法にて緊急施工しました。その後、陥没場所は人口池として整備され、住民に親しまれています。
【海岸侵食】
アメリカのフロリダ州は年間を通じて温暖な気候で、海岸線はリゾート地として整備されています。近年、異常気象により多発する大型ハリケーンの影響で、浜辺に隣接したホテルやコンドミニアムの多くが高波による侵食にさらされており、緊急の対策工事が実施されています。波による侵食から建物の基礎を保護するための護岸として、鋼矢板連続壁を圧入施工しました。