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第4回 圧入Q&A 解答
第4回 圧入Q&A(入門編) / 土木学会誌 2010年12月号掲載
- Q.
- 機械の転倒など、建設現場での事故が報道されています。
とくに杭打ち機の転倒は、第三者の被災を含む重大災害となる恐れがありますが、圧入工法では転倒事故もなく、鉄道や民家に近接して施工を行っています。
転倒しない要因を、次の中から選んでください。
イ. 圧入機が施工済みの杭につかまっているから
ロ. 圧入機が重く安定しているから
ハ. 柔らかな地盤にしか施工しないから
ニ. 整地され安定した地盤の上でしか施工しないから
ホ. 全国圧入協会の安全教育が徹底しているから
A. イ と ホ が正解です。
選択肢ごとに解説を掲載していますのでご覧ください。
【イ. 圧入機が施工済みの杭につかまっているから 】: ○ 正解
【ロ. 圧入機が重く安定しているから 】: × 不正解
【ハ. 柔らかな地盤にしか施工しないから 】: × 不正解
【ニ. 整地され安定した地盤の上でしか施工しないから 】: × 不正解
【ホ. 全国圧入協会の安全教育が徹底しているから 】: ○ 正解
【イ.圧入機が施工済みの杭につかまっているから】 : ○ 正解
圧入機サイレントパイラーは、すでに地中に押し込まれた杭をつかんで地球と一体化し、その引抜き抵抗力を反力として、杭に圧入力(油圧による静荷重)を加え、地中に押し込んでゆきます。地中に押し込まれた杭を反力としてつかむ機構のため、原理的に転倒の危険性がありません。 |
【ロ.圧入機が重く安定しているから】 : × 不正解
圧入のメカニズムにより、すでに地中に押し込まれた杭と機械が一体化することで、小さな機体から大きな力が発揮できます。杭を地中に押し込むための反力を完成杭から確保しているため、機械本体の自重を必要とせず、軽量・コンパクト化が図られています。
【各種杭打機の反力の方式】
【ハ.柔らかな地盤にしか施工しないから】 : × 不正解
圧入工法は、砂礫・玉石層や転石・岩盤層などの硬質地盤においても、地盤の貫入抵抗力を軽減する貫入補助システムを用いることで、圧入力を必要最小限に抑えることができ、合理的で効率的な圧入施工を実現しています。
【硬質地盤での施工事例】
橋脚工事の仮締切工事で、硬質片岩(一軸圧縮強度170N/m㎡以上)へ圧入施工を行った事例です
【ニ.整地され安定した地盤の上でしか施工しないから】 : × 不正解
圧入工法は、杭の圧入に必要な反力を、すでに地中に押し込まれた杭(完成杭)から確保し、圧入機が完成杭上を自走しながら作業を進めます。また圧入機本体だけでなく、杭の搬送や吊り込みを行うシステム機器も同じ原理に基づき開発されており、杭の搬送・吊り込み・圧入の全工程を完成杭上で完了させます。よって、水上・傾斜地・不整地などの施工条件下でも、仮設桟橋などの付帯工事を必要とせず、急速かつ安全に作業を行えます。
【ホ.全国圧入協会の安全教育が徹底しているから】 : ○ 正解
全国圧入協会では、安全教育講習の実施を通じて、圧入施工に伴う労働災害の防止や、圧入機と作業者に関する法規制への対応に取り組んでいます。
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